クラブ作りのポイント
ご来店されてお客様が言われることで一番多いのは「クラブじゃなくて腕だよね!」です。よく考えてみてください。靴や洋服は自分の体に合せて買いますよね!一番解りやすいのは靴です。ガボガボだと歩き難いし抜けて走る事も出来ません。逆に小さいとマメは出来るし痛くて動き難いです。そのうち体に合ってくるでしょう!なんてありえません。それと同じ事で、クラブも自分の体に合せて選ぶ、もしくは作らなければなりません。一番大事なポイントは、プレイヤーの体に合せることです。技術ではないですよ!いずれは技術に合せる時が来ますが最初は体です。次にスイングテンポです。力に自信のある人、あまり自信のない人、ヘッドスピードの早い人遅い人などクラブ作りには当然のことながら様々な条件があります。ゴルフは、人間のするスポーツなので、ここに感覚と好みを取り入れることが重要になってきます。
よく聞くスインガータイプとヒッタータイプとは?
スイングテンポの違いでスインガータイプとヒッタータイプに分けられます。この違いもクラブ作りに重要なポイントになってきます。力が多いからヒッタータイプと言うのではなく、逆に力が少ないからスインガータイプとは限らない。力が多くてもテイクバックからダウンスイングへの切り返しがゆっくりしている人はスインガータイプと言われ、力が少なくても切り返しのテンポの速い人はヒッタータイプと言われます。ヒッタータイプのプレーヤーには、総重量・クラブバランス共に軽めが適しています。また、シャフトもやや硬めの方が効果的です。スインガータイプのプレイヤーには、可能な限り総重量・クラブバランス共にやや重めが適しています。シャフトもやや柔らかめが効果的です。また、体が硬かったりクラブの重さを感じないプレイヤーにはシャフト重量をやや重ためで柔らかめがよいでしょう。可能な限り全長を長くするのも効果的です。先にも述べましたが、ゴルフは人間のするスポーツなので、ここに感覚と好みを取り入れることが重要です。
力に自信のなくなったシニア&レディース向けの軽量クラブの作り方
ゴルファーの悩みで一番多いのは、「このごろ体力が落ちて昔みたいに飛ばなくなった」とか「クラブが重くて振り切れない」などといった悩みが一番です。そこで、力に自信のなくなったシニア&レディース向けの軽量クラブの作り方を紹介します。ヘッド重量が上がればクラブバランスは上がり、下げればクラブバランスは下がります。シャフト重量を上げればクラブバランスは上がり、下げればクラブバランスは下がります。グリップ重量を上げればクラブバランスは下がり、下げればクラブバランスは上がります。ヘッド重量を下げシャフト重量も下げグリップ重量までも下げる方法をとることで、振り心地の指数となるクラブバランスを保った軽量クラブを作ることができます。これにより、力に自信がないシニアやレディースプレーヤーでも総重量を落とし効率的にヘッドスピードを上げやすいクラブが作れます。しかしながら、力が少ないからといって、必ずしも軽いクラブが良いとは限りません。ある程度の重量がないと、ボールに与える衝撃力が少ないため飛距離に反映されません。自分の持っている力よりも、ほんの少し重たいくらいが丁度いいでしょう。重たいクラブを作るのは簡単です。しかしながら、超軽量と言われるクラブを作るのは各パーツに重量がある以上限界があります。ドライバーの場合ヘッド重量は、188g~203gくらい。シャフトは、33g~90gくらい。グリップ重量は通常50gくらい、軽量グリップで38gから45gくらいで、超軽量グリップは25gのグリップもあります。最軽量を組み合わせた場合、250gくらいが限界になります。このようなドライバーを使用するプレイヤーも限られてきますが、かなりクラブに助けられると思います。現在、長尺と呼ばれる長さは46.0インチ以上のドライバーの事と言っても良いと思います。軽量技術の進歩によりヘッドの大型化。著しいカーボンシャフトの軽量化。ルール内で460ccの大きさ、つまり広い投影面積で目の錯覚までを利用した、長いけど長く見せない作り方。同じヘッドスピードならば長い方が飛ぶ。これにより長尺化が劇的に進み飛距離もアップしました。
クラブバランスとは?
スイングバランスとも言います。君のクラブはヘッドが効いてるね~!プレイヤーの会話やカタログにも出てくるC-8とかD-2とか聞かれたことがあると思います。それは、単純にヘッドの重さ効き方を数値にしたものです。アルファベットのA~Eの5段階、さらにその中を0~9の10段階に表した数値です。Aが一番か軽くEが一番重くなります。例えばC-8とD-3を比べた場合D-3の方が重たいという事です。ただし、数値は同じでも総重量や長さ、シャフトの硬さが違えば感じ方が違ってきます。硬ければ軽く柔らかければ重く感じやすくなります。工房によって使用しているバランス計が違いますので行きつけの工房で好みのバランスを知っておくのも必要です。あくまでも目安と思ってください。
ライ角の重要性
ライ角とは、クラブをソールし地面とシャフト中心線との間に出来る角度を言います特にアイアンでは、ロフト角よりも大事で方向性と飛距離に大きく影響します。いくらロフトを立てても、適正なライ角でなければ飛距離には反映されません。ライ角は、プレイヤーの身長や体型、シャフトの硬さなどによっても設定が違ってきます。単純に背の高い人はアップライトであまり背の高くない人はフラットというのが一般的です。
アドレスした時に、アップライト(トゥが浮いた状態)な場合はボールが左に飛びやすく、逆にフラット(ヒールが浮いた状態)の場合は右に飛びやすくなります。しかし、このような状態でも全く違う飛び方をする場合があります。アップライト過ぎるとスイートスポットに当たらず当たりの薄いスライス系の球が出やすくなり、また、ヘッドスピードが速く力の多いプレイヤーがフラット過ぎるアイアンを使った場合にフック系の球が出る特別な現象があります。これはフェイスとボールのギヤ効果によるもので、インパクト時にトゥが突っ掛かりフェイスが開きます。この時にボールには反対のフック回転がつきフック系のボールになるというわけです。
ライ角は、ヘッドスピードとシャフトの硬さによっても設定が変わってきます。仮に、ヘッドスピードが早いプレイヤーが柔らかいシャフトを使った場合、トゥダウン量が増し正しいインパクトが迎えられません。当然、方向性と飛距離に大きく影響が出ます。
ライ角があっているか調べる方法は、ソールにガムテープを貼りショットします。擦れ方が均一であればOKで、そうでなければ調整が必要です。また、ボール打痕がトゥ側に集中していればフラット過ぎて、逆にヒールよりに集中していればアップライト過ぎると言うわけです。いい感じで打ているのに右に行き過ぎたり左に行き過ぎたりする場合は要注意です。
ライ調整は、出来る素材(軟鉄鍛造)と出来ない素材(ステンレス系)がありますのでアイアンを購入する時の注意事項にしてください。工房や専門店でしっかり話し合って製作購入することをお勧めします。